森本洋平会長ブログ.com
2013/02/06(水) ディーセントな指導を
◆3週間ぶりです。
立春を過ぎているのに、今の寒さと暖かさは「三寒四温」とは言い難いような天候が続いています。インフルエンザも流行しているようです、体調にはくれぐれも注意して下さい。コマーシャルではないですが、「婆ちゃんの口癖、うがい、手洗い、睡眠、休養。」要は正しい生活習慣ですよ。
◆書きたくはないですが、体罰問題が大きく取りざたされています。高校生の自殺問題に始まって、柔道連盟の体罰問題も出てきています。日本独特の精神主義的な鍛え方が一向に見直されていないように思えてなりません。
◆以前、大相撲の部屋稽古で若い力士が死亡したニュースがありましたが、練習や稽古でいじめや体罰問題が一向に無くならないのは何故でしょうか。評論家の方々や有識者の方々が色んな意見を述べているようですが、私は以前にも書きましたが、スポーツ界全体の国際化が大きく遅れていることだと思います。
◆私もラグビーをやっていましたが、若い頃は練習中に水を飲んではいけない、早くばてるぞと言われていたものです。しかし今では水分補給は常識となっていて、サッカーなどでは試合中でも適宜水分補給を行っています。ことほど左様に指導者も、精神分析学を含めた科学的考え方が必要と思います。
◆根性だけで勝てると考えること自体がナンセンスと思うのです。日本の武道にありがちな、師匠と弟子みたいな考え方も変えて行く時期にきているように思えてなりません。師匠に対する絶対服従主義的な練習方法は国際的にはナンセンスです。その根本的な考え方は、自分でやりたいから練習するのか、指導者にやらされているのか、ここに大きな違いがあるように思うのです。
◆これは、スポーツに限った事ではありません、私たちの普段の仕事も同じように考えられると思うのです。目の前の仕事を目標をもってやり遂げるという意識でやるのか、業務命令で上司の指示に従ってやらされるのか、大きな違いが出てくると思うのです。そこにディーセントワークの扉があるように思います。
◆監督であれ、コーチであれ、自分の現役時代は一旦リセットして指導するべきです。日本スポーツ界の将来の為、悪しき習慣は早く断ち切りましょう。
◆今日の言葉 「麒麟も老いては駑馬に劣る(きりんもおいてはどばにおとる)」
麒麟は一日に千里を走る中国の想像上の動物。駑馬とは足の遅い駄馬のこと。駿馬も年と共に駄馬にも負けるようになると云う意味。人も同様で、すぐれた人でも歳を取ると能力が落ち、凡人にも劣るようになると云う喩。
(森本 洋平)