森本洋平会長ブログ.com
2011/12/14(水) 政治の空洞化を防げ
◆何となく気ぜわしい感じがいたします。第179回臨時国会も終了いたしました。よく産業の空洞化 などと言われますが、今回の国会を見ていますと論議の空洞化を起こしているように受け止めてしまいました。
◆確かに、震災復興の第3次補正予算や復興庁設置法案、復興特区法案などが成立し、復興への見通しが出来たことは評価できると思います。逆に郵政改革法案、選挙区是正法案、更には労働者派遣法改正、国家公務員制度改革関連法案、など、多くの問題が先送りとなり来年の通常国会へ継続審議となりました。
◆何とも、虚しい感想を持ったのは私だけでしょうか、いまだに与野党で政局中心の国会運営に汲々としているように見えてなりません。与野党ともにもっと真摯に国民の負託に応えるような国会運営をしていただきたいと思います。
◆ひょっとして、このような状況が過日の大阪ダブル選挙の結果にも大きく影響しているのではないかと危惧いたします。大阪市民や府民が維新の会の政策を十分理解していたのか、大阪都構想を理解していたのかは疑問です。ただ、今のような政治と違ったやり方に期待したのではないかと思います。与野党の皆さんも反省してほしいと思います、ネジレを理由にしてはだめだと思います。
◆そんな折、日本で画期的な医薬品作りを目指す内閣官房医療イノベーション推進室長が、辞任して米国シカゴ大学に移籍するとのニュースが流れました。
室長であった、中村教授は「国の制度や仕組みを変えようと頑張ったが、各省庁の調整機能さえ果たせず、無力を感じた。日本で研究した新薬を日本の人たちに最初に届けるのが夢だったのだが。せめて米国で新薬を実現したい」と話されています。何とも残念至極、日本の政治的未熟さが露呈したと思います。
この推進室は、省庁の壁を取り払い、国家戦略として医療産業の国際競争力を強化するための司令塔となることを目指していたとされています。
◆以前にも書きましたが、日本の新薬の開発や臨床試験を経て認可されるスピードが西欧諸国に比較して極端に遅くなっています。確かに副作用の影響など、十分な評価は必要ですが、癌などの医薬品は患者にとって死と隣り合わせの問題でもあるのです。今回のような頭脳の流出を防げるような政府の対応を改めて問い直したいと思います。今年の漢字は「絆」、何ともいえない気持ちです。
◆今日の言葉 「人と屏風は直ぐには立たず (ひととびょうぶはすぐにはたたず)」
道理や理論だけでは世の中を渡ることはできない、時には妥協することも必要であるということ。「直ぐに」とは真っ直ぐにの意味で、屏風は折り曲げないと立たず役に立たない、時には自分の意見を曲げることも必要との言葉。
(森本洋平)