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シンポ 『外の目 内の目 日本の非正規』
日本の非正規雇用労働を考えるシンポジウム
(財)兵庫勤労福祉センターがシンポジウムひらく
◆3月12日(土)、財団法人:兵庫勤労福祉センターが日本の非正規雇用労働者が抱える問題の解決策を探ること、および日本の非正規雇用労働者が置かれた状況が国際的な比較ではどのように評価されるべきか、また処遇改善のためには何をなすべきか、なし得るのか、ということをテーマに『シンポジウム:外の目 内の目 日本の非正規』を開催。会場のチサンホテル神戸には、構成組織・地域協議会の代表や担当役員を中心に約150名があつまり、講師の話に熱心に耳を傾けました。
◆シンポジウムは土肥淳二:財団理事(連合兵庫事務局長代理)の司会で幕を開け、冒頭、土肥:理事の呼びかけで前日(3月11日)に発生した東北 地方太平洋沖地震の犠牲者を慰霊するため、出席者全員で黙とうを捧げました。
◆そののち、来賓あいさつに移り、緊急支援対策で多忙を極めるなか駆けつけていただいた兵庫県の岩根正:産業労働部政策労働局長から、非正規雇用の問題をからめながら兵庫県の産業政策を報告し、同時に東北地方太平洋沖地震に対して迅速な支援活動を展開している旨の報告を述べました。
【 主催者あいさつ 兼 正規雇用労働者から見た非正規雇用労働の問題 】
◆このののちシンポジウムは本プログラムに入り、最初に、森本洋平:理事長(連合兵庫会長)が主催者あいさつを兼ねた講演 『正規雇用労働者から見た非正規雇用労働の問題』 を約15分間にわたって講演しました。
【 基調講演 『楽観主義者対悲観主義者 非正規雇用の日仏比較』 】
◆講 師 藤野敦子:京都産業大学経済学部准教授
藤野氏は2009年8月~2010年7月の1年間、2度目のフランス留学をおこない、その期間中に当センターの研究事業としてフランスの非正規雇用労働者の働き方と生活についてアンケートと インタビュー調査をおこないました。この研究から見えてきたフランスのパートタイマーなど有期雇用労働者たちの将来展望の明るさや、また彼らの楽天主義を可能とさせている政府の手厚い政策と、日本の非正規雇用労働者が置かれている状況との大きな差に憤りを覚えるとともに、その処遇改善のためには何をなすべきか、何をなすことができるかを、約50分間にわたって講演し、会場から共感の拍手を浴びました。
【 パネルディスカッション:外の目 内の目 日本の非正規 】
◆コーディネーター
野々山久也 : 甲南大学文学部社会学科教授
◆パネリスト(50音順)
阿部真大 : 甲南大学文学部社会学科専任講師
藤野敦子 : 京都産業大学経済学部准教授
横山由紀子 : 兵庫県立大学経営学部准教授
◆野々山久也 氏 |
◆阿部真大 氏 |
◆藤野敦子 氏 |
◆横山由紀子 氏 |
シンポジウムは東北地方の大震災の影響もあり、心騒ぐ雰囲気の中でおこなわれましたが、ひとたびプログラムがはじまると先生方の熱意のこもった講演に引き込まれ、出席者全員がたいへん熱心に聞き入りました。
◆最後に、当センターの研究部門である兵庫県総合生活研究センターの神田順:主任研究員が、「センターは労働組合をバックとする組織であり、労働組合は知識を蓄積するだけでは駄目で、分かったということをスタートにして今後力を合わせて具体的に状況を改善していく取り組みをすすめていきましょう」と結んで、シンポジウムの全てのプログラムを終了しました。