TOP >>受信NEWS

受信NEWS

兵庫高退連が2011年度対県要請

誰もが安心できる医療・福祉サービスの充実を

兵庫高退連が県へ政策・制度要請

◆兵庫高退連は、12月6日(月)の午後4時30分より、兵庫県に対して「地域 101206koutairenyousei051.jpg 医療の充実と医師不足等の解消」「高齢者に対する福祉サービスの充実と権利擁護の確立」を重点とした政策・制度の要請をおこないました。

◆要請には、兵庫高退連より浜上会長、塩嵜副会長(政策委員会委員長)、高原事務局長、藤原事務局次長、土肥事務局次長が出向き、兵庫県からは、田所産業労働部長をはじめ、健康福祉部から担当者ほかが出席しました。

◆浜 101206koutairenyousei054.jpg 上会長が、『今回は、連合兵庫がおこなう政策・制度要請の中身との整合性を重視し、地域医療の問題と高齢者に対する福祉サービスの問題に重点を絞った要請となった。後期高齢者医療制度については、廃止にともなう新制度での運営の受け皿を県にお願いしたいと考えている。
 財源問題など厳しい状況があることは承知しているが、高齢者の負担が地域によって異なるようでは困る。また、介護保険制度施行10年目をむかえ、制度に対する様々な問題が出てきている。
 介護従事者の慢性的な人材不足や介護難民の解消、介護施設への調査方法の見直しなどについても再考をお願いする。』と述べたのに対し、田所産業労働部長は、『本日の要請には、県庁内の関係部署から担当者も同席しているので、要請内容について慎重に検討したい。高齢者一人ひとりの状況に対応した政策・制度にしていかなくてはならないと考えている。』と応えました。

1.地域医療の充実と医師不足等の解消

(1)地域の実情に応じた医師・看護職の不足解消と適正配置を進められたい。
 特に、病院勤務医、中山間地域の医師不足等については、財政措置を含めた実効性ある対策を引き続き講じられたい。

(2)公立病院「改革プラン」の実行にあたっては、経営効率化の観点からだけではなく、必要な医療が安定的に提供できる医療提供体制の維持・構築を最優先し、財政支援も含めて、住民の安心・安全、利便性が損なわれないものとすること。

(3)高齢者医療制度改革については、次の点を踏まえ、国に上申すること。
①後期高齢者医療制度を廃止し、新たな医療制度への移行を速やかに行うこと。

②新たな医療制度は、高齢者を年齢で区分せず、国民健康保険または健康保険組合等に加入すること。

③現在、市町村で運営している国民健康保険は都道府県が担うこと。

④保険料については応能負担とすること。

⑤患者の一部負担は、収入にかかわらず65歳以上1割とすること。

2.高齢者に対する福祉サービスの充実と権利擁護の確立

(1)介護は他業種と比して応募者不足、高い離職率になっている状況を踏まえ、「介護サービス情報の報告および公表」の調査情報項目に、従業員に対する健康診断や感染症対策の実施の有無、夜間を含む労働時間、労働関係法規の遵守状況、社会保険の加入状況を追加するなど、積極的な処遇改善策をはかること。
 あわせて、調査のみの繰り返しにより、多くの介護サービスにかかわる事業所が、過度の負担にならないよう、問題の根本的な解決になる施策の実施に努めること。
 
また、ケアマネジャーの公平性、中立性を担保するため、資質向上及び処遇改善策を講じること。

(2)2005年の制度改訂で新設された地域包括支援センターは、「制度横断的支援の展開」「総合相談・支援の展開」「虐待防止・権利擁護」「包括的・継続的マネジメント」「介護予防ケアマネ」を担う中核機関として保健師・経験のある看護師、主任ケアマネ、社会福祉士を配置することとされているが、「介護予防ケアマネ」に集中せざるを得ない状況を踏まえ、地域包括支援センターの体制を整備し、機能強化を図ること。

(3)介護療養病床を利用している要介護者が、2012年3月末の介護療養病床再編に伴って行き場を失うことがないよう、地域医療や居宅サービス、地域密着型サービスの充実を行うこと。

(4)居住型施設の不足に伴う無届施設が事故につながっている状況を踏まえ、特別養護老人ホーム、認知症高齢者施設、高齢者向け住宅など不足しているサービスについて、計画的充足を図ること。

以 上

◆また、対県要請に先駆けて、同日午後2時30分より連合兵庫会 101206koutairenyousei050.jpg 議室において、同趣旨の要請を水岡俊一参議院議員に対しておこない、兵庫高退連から浜上会長、塩嵜副会長、是枝副会長、藤原事務局次長が出席しました。
 これは、中央高退連が「医療・介護・年金」の課題について民主党本部へ要請したことを受け、各地方高退連役員が直接、推薦国会議員へ要請書を届ける行動の一環です。すでに、兵庫高退連から民主党兵庫県連に対しても、同内容の要請書を提出しています。

◆要請書を受け取った水岡参議院議員は、『いただいた要請の内容については、調査・検討をした上で、民主党の方向性と整合しながら、すぐに対応できることなのか、あるいは時間のかかることなのかを見極めて回答したい。』と応じました。

1.介護保険制度について

 人間の尊厳を守るため、社会化された介護を提供するという制度創設の理念を基礎に、必要なサービスが必要な時、利用できる制度に整備すること

(1)加入者とその扶養家族を介護保険の被保険者とすること

(2)介護職場に従事する職員の人材確保のため、賃金をはじめとする処遇改善をはかること

(3)公費負担割合を6割以上に引き上げ、保険料の大幅引き上げをしないこと

(4)保険料を応能負担に改めること

(5)地域包括支援センターの体制を整備し、機能を強化すること

2.税制について

(1)所得税の公的年金等控除の最低保障額を120万円から、140万円に戻し、老年者控除50万円(65歳以上)を復活させること

(2)所得税の医療費控除を改善し、医療・介護者控除に改めること

3.年金制度について

(1)年金制度の見直しについて
①多くの加入者をもつ超長期の制度であることに留意し検討すること

②年金受給者の意見反映を保障するとともに、保険料の追加負担を強いる制度にしないこと

③年金問題の検討にあたっては、年金受給者、退職者連合の意見が反映される場を設けること

4.医療制度について

(1)高齢者医療制度改革会議を促進し、新たな医療制度への移行を速やかに行うこと

(2)新たな制度について
①移行にあたっては、被保険者の理解と納得を得られるよう配慮すること 

②検討にあたっては、年齢による別制度としないこと。また診療や健診については、年齢による区別をしないこと

③医療制度は、現在「改革会議」で検討中ですが、国保の運営は制度を区切り、市町村から都道府県に移行すること

以 上