森本洋平会長ブログ.com
10/07/26(月) 心の隙に魔物が
◆夏は暑いのが当たり前ですが、それにしても暑いです「油断大敵」と言いますが、私たちの体は 「水分大事」です、乾燥させないよう十分ご自愛下さい。
◆話は変わりますが、長い間組織の中にいて感じていることがあります。真夏のミステリーではありませんが、どうやら組織の中には何とも言えないような「魔物」が棲んでいるよう気がしてなりません。時々この魔物が眼を覚まして良からぬ悪戯をしたり、隙あらば人の心の隙に付け込んでくるような気がします。
◆昔のお話に出てくる魔物には、おおよそ弱点というものがあるようです。例えばドラキュラ伯爵は太陽が苦手であり、小泉八雲の小説「ろくろ首」も太陽が苦手、他にもニンニクであったり、塩水であったりとかします。ではこの組織にいる魔物は何が苦手かと言いますと、それは組織の縦横の「信頼」なのです。
◆組織内の上司と部下の信頼関係、同僚同士の信頼関係がしっかりしていると、なかなか魔物は出てきません。しかし信頼関係が緩んでくると、この魔物が眼を覚まして「パワハラ」や「セクハラ」問題を起こしたり、直接的には関係ないよう見える、重大な間違いや事故などを引き起こすこともあるようです。
◆どうにも厄介ですが、ではこの魔物の苦手な「信頼関係」を築くにはどうすればいいのか。当然のことですがコミュニケーションが第一だと思います。経営で重要なのは「社員価値を上げること」「現場主義に徹すること」とよく言われます。但し形だけになっていないか若干疑問です。特に長くトップの地位にある方々、大きな組織になればなるほどその傾向が強いのではないでしょうか。
◆現場主義だといって安全パトロールをするにしても、トップ以下数十人で大名行列のようなパトロールになっていないか。月に一度ぐらいは安全担当者と二人でじっくりと現場で働いている社員と話すことも大切ではないでしょうか。特に、特殊な職場環境の現場には是非出掛けて実態を見ておくべきでしょう。
◆今回の新幹線の事故も起こしてしまってから管理状況を点検しても遅いのです。事故原因について詳しいことは判りませんが、どうも根本原因には本社と下請け、又は現場での信頼関係が若干おろそかになっていたように思えてなりません。私たちの労働組合も組合員との信頼関係について考え直すべきと思います。
◆今日の言葉 「大道廃れて仁義あり (だいどうすたれてじんぎあり)」
道徳がある世は仁義を説く必要ないが、正しい道が損なわれる世になれば、仁義を説く必要がある、翻って仁義を説くような世は人の道が廃れた証拠だということ。今の日本社会はどうか、金や物に眼が眩んではないでしょうか。
(森本洋平)