森本洋平会長ブログ.com
10/06/23(水) 伝統的価値観
◆楠正成の旗印には「非理法権天」と書かれていたと、何かの研修会で聞いたことがあります。こ の言葉の意味は、非は理に勝たず、理は法に勝たず、法は権に勝たず、しかしそうした権力であっても天には勝てない、といった意味だと研修会の講義で聞いた記憶があります。
◆では、この最高位にある天とは何か。天の意思はどこにあると古人は考えたのか。
私なりに理解しているのは人道主義ではないかと解釈しています。人の道に外れることのないような考え方、仁と義に外れないような考え方、それが天の意思であり、至高の意思であると感得していたのではないかと思っています。
◆最近、日本相撲協会が野球賭博などの不祥事で大きく揺れ動いています、日本の国技も地に落ちたものだと批判されているようです。ちょっと待ってください、誰が相撲を日本の国技と定めたのでしょうか。
広辞苑で調べてみますと、明治時代に両国に相撲の常設会場ができたときに、たまたま「両国国技館」と名前を付けたことから一般的に国技と呼んでいるのだそうです。
◆そう言えば、日本発祥のスポーツには剣道、柔道、空手道、なぎなた、相撲など国技と呼ばれていいものが多くあります。そして、その名前には「道」と付くものが多いように思われます。伝統的に日本発祥のスポーツは競技を楽しみ勝ち負けを競う前に、その道を究めることを目的としているように思えます。
◆韓国の「テコンドー」や、カナダの「アイスホッケー」のように、法令で規定されておらず、国民に深く親しまれ国の伝統文化に深く結びついている、故に国技と呼ばれているのでしょう。やはり「道」を究めるスポーツであり、競技を通して至高の人格を作る、「それこそが天に通ずる道である」という日本の伝統的価値観を継承しているからでしょう。
関係者の猛省と新たな相撲協会の出直しに期待しておきたいと思います。
◆そして、明後日から参議院選挙が始まります、例によって有らぬ誤解を招かないように選挙終了まで、私のブログもお休みさせていただきます。ではでは。
◆今日の言葉 「泥中之蓮(でいちゅうのはす)」
世に汚されず、清純なままの人を表す言葉。汚れた環境の中にあっても、周囲に染まらず清らかな美しさを持っていること。「丹心」という私の好きな言葉があります、嘘いつわりがないピュアな心。そうありたいと思います。
(森本洋平)