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森本洋平会長ブログ.com

10/06/16(木) 送り手と受け手 

◆今、NHKの大河ドラマは福山雅治主演の「龍馬伝」を放送し、非常に高い視聴率を得ているようです。私の感想は色濃い演出すぎて龍馬以外の人物のほうが勝っ 100607tuyuirimajika0001.jpg ているように思われます。ただし時代が忠実に再現され、幕末の時代に命を掛けた若い志士たちの、国に対する熱い思いが何とも羨ましく思います。

◆この物語の主人公は「坂本龍馬」であり、作者も「坂本龍馬」を描きたかったと容易に想像が付きます。
 
少し前に同じ大河ドラマで、吉川英治原作の時代劇「宮本武蔵」が放映されていました。主演は確か市川海老蔵だったと思います。私は、以前からこの「宮本武蔵」の小説について漠然とした疑問を持っていました。本当に主人公は宮本武蔵なんだろうかという疑問です。

◆私的には、お通さんと武蔵の恋に横恋慕して身を持ち崩し、地獄を見る生活の末、仏門に入っていく「又八」という、武蔵の幼馴染が主人公ではないかと思われて仕方がありません。それほど「又八」は読む側の感性に訴える人物像だと思います。

◆女性の方々が読まれると、武蔵を一途に愛し追いかけてゆく「お通」さんの姿に、自分の思いをダブらせる方も多くいるのではないかと思います。やはり提供する側の考え方と、受け止める側の考え方はおのずと違うものだと思います。

◆こう考えると、政治の世界だって政策を提供する政権側と、その政策を受け止める国民側の思いが、必ずしも一致するとは限らないと思います。

◆菅新総理は政治の目的を「最小不幸の社会をつくること」と言われました。
  有名な
「最大多数の最大幸福」と言ったのは、イギリスの哲学者ベンサムだったように記憶していますが、菅総理の言葉と意味するところは大きくは違わないと思いますが、国民の側はどう受け取っているのでしょうか。

◆もうすぐ参議院選挙が執行されます。これをお読みいただいている皆さんに是非ともお願いしたいことがあります。政治不信から投票に行かないのではなく、フォーマットを作って最も自分の考えに近い候補者・政党に一票を投じていただきたい。投票を棄権する行為は自分の政治的信条を否定することになります。自分を肯定すること、その先に私たちの国が出来るのです。

◆今日の言葉   「先憂後楽(せんゆうこうらく)」

  人の上に立つ者の心がけを説いた言葉。宰相のような人の上に立つ者は、国民より先に諸問題に対して処置を施し、平治の世になって国民が楽しむのを見た後で、自分が楽しむようでなければならないということ。ちなみに岡山県にある後楽園は、この言葉から付けられたと言われている。(北宋、范仲淹の言葉)

(森本洋平)