森本洋平会長ブログ.com
10/03/12(金) 日本料理という文化
◆私たち日本人にとって、生水の水道水が飲めるなんてことは常識でしょうが、国際的に見てどれほ どの国で直接水道水を飲んでいる国があるのでしょうか。
◆料理でも同じで、日本料理には必ず刺身が出てきますし、生で食べるのが素材を活かした、一番美味しい食べ方になっているのではないでしょうか。
◆また、生で食べられる最低条件は新鮮でなければならないということでしょう。素材が腐らないうちに食べるという、贅沢な食文化が生まれたと思うのです。中国の諺で「食は広州にあり」とよく言われますが、私たちから見るととても口に入らないようなものが、出てくることが珍しくありません。
◆以前、広州へ行ったときもアスパラガスを茹でたようなものが出て、茹でアスパラかと思って口にすると、「砂虫」という滋養強壮に良いという、釣餌の大きな感じの虫でした。しかも二匹一度に口に入れたのでそのまま食べましたが、別におかしな味ではなかったのですが、何ともいえない感覚でした。
◆一緒にいた中国の友人に、とても私には食べられませんと言うと、日本人は何でも生で食べるじゃないかと言われました。なるほど肉でも、鳥刺し、牛刺し、馬刺し、と何でも生で食べており、考えてみると肉の本場欧米でも、ほとんど生肉を食べるという習慣はないように思われます。
◆そもそも明治時代以前は、日本人は一般的に鳥以外の牛や馬などの肉を食べる習慣はなかったようで、明治以降になって動物性たんぱく質の必要性などから、牛肉や豚肉を口にするようになったといわれているようです。
◆今回、アカデミー賞のドキュメンタリー部門作品で、日本のイルカ漁を題材にした「カーブ」という作品が話題になっているようですが、日本の文化をどこまで国際的に理解してもらっているのか、今後の動向に注目したいと思います。
◆昔のことですから、きっとイルカや鯨が哺乳類であることなど知らなかっただろうし、牛や豚など食べなかった時代に、貴重な蛋白源であったことは容易に想像がつきます。私も作品を見たわけではないので、けしからん映画だと批判できるとは思いませんが、諸外国の皆さんももう少し日本の文化について研究していただければと願います。逆に日本も冷静に対応すべきと思っています。
◆今日の言葉 「明鏡止水(めいきょうしすい)」
清廉で何のやましさもない、澄んだ心をいった喩。一点の曇りもない鏡と、澄み切った水の意味。人生修行も悟りの境地に達するとこのような心になるのでしょうか。政治家の皆さんも是非このような心境で政治をして欲しいものです。
(森本洋平)