森本洋平会長ブログ.com
10/02/03(水) 芸術点?
◆私が40代のころ、確かプロ棋士の米長邦雄さんが言ったと記憶しているのですが、「将棋や囲碁 の勝負というのは個室の中で観衆のいない場所で行う勝負であり、投了の瞬間も自分だけに言い聞かせるだけの問題である」と言われた。
◆それに比べると、同じプロの世界でもギャンブルの世界などは、お金を掛けたファンの期待の目の前で罵声を浴びながら負けます。ギャンブルでなくとも国技である相撲などは大観衆の目の前で投げられて負ける屈辱を受けるのです。
◆そう思うと採点による勝負競技が、どうも好きになれません。体操競技、シンクロナイズドスイミング、フィギュアスケート、これらの採点はどうにかならないものでしょうか。その道を究めた方々が採点していると思いますが、芸術点などと言われると何が正しいのか素人の私などはさっぱり判りません。
◆これだけ科学が発達した時代、採点ロボットでも開発して正確無比で公平・公正な採点ができないものかと思います。比較して相撲の世界は何とも凄まじい競技であり、信じるものは自分しかない孤独との戦いだろうと思います。
や、逆に普段の稽古で培われた精神力の賜物ではないかとさえ思います。
◆今回、日本相撲協会の理事選で貴乃花親方が事前の予想を覆して理事に当選しました。土俵上の彼の取り口は文句の付けようのない大横綱として勝ち続けたと思いますが、今回の勝負は正に採点競技のように思われてなりません。
◆しっかりと得点したのか、芸術点は何点くらいあったのか、相撲道に対する思い入れはどうだったのか、7票にプラス3票を投じてくれた方の思いはどうであったのか、今後大相撲が変わらなければその評価は非常に冷たいものになるでしょう。
一票の重さと責任の重大さを肝に銘じて励んでいただくよう期待いたします。
◆今日の言葉 「百薬之長(ひゃくやくのちょう)」
酒の効能をほめた言葉。ほどよい酒はあらゆる薬にも優る効能があるが、いくら百薬の長といっても、度が過ぎれば体に宜しくない事ぐらいは誰でも知っている。しかし判っていても止められないのは私だけではないと思うが・・・?
(森本 洋平)