森本洋平会長ブログ.com
06/16(火) 『里海』を守りたい
◆14日の日曜日、朝ごはんの後ぼんやりテレビを見ていると、私の生まれ故郷の尾道あたりを紹介しながら、『里海』についての放送をしていました。
尾道だけでなく瀬戸内海の豊かな海の恩恵について、それを守り未来へ継承していこうとしている漁業関係者の方々の取り組みや、海の環境を守る住民活動が紹介されていていました。
一度、失った環境を元に戻すことがどれほど大変か、鯛網の漁師さんは小さな鯛は逃がし、網を入れる回数を制限し、回数内であっても一日の漁獲量に達すると漁を終える、と言うことで、資源が枯渇しないよう努力している。
◆護岸工事で干潟が無くなり、アサリが取れなくなった漁村で、干潟を再生しようと取り組んでいる市民活動も紹介されていました。10年以上の息の長い活動で、徐々にではあるが元の姿に蘇りつつある干潟が映されていました。運動の責任者である結構なお歳の方の 「将来の宝物として残したい」 という言葉に、海に暮らす人々の心の声を聞いたような気持ちがしました。
現在の瀬戸内海は、沿岸の70%で護岸工事が施されている状態との紹介もあり、大阪湾の潮の流れを大型模型を使ってシミュレーションしていました。埋め立て前は淀川河口付近から出た海流は一旦紀伊水道の近くまで行って、そこから淡路島の東岸を北上していましたが、今では淀川からの海流はほとんど無い状態らしい。
潮の流れが変わった影響で海の栄養が偏り、タイラギ貝が豊漁となる一方で、黒ノリの色落ちが始まっているとのことでした。おりしも、6月は『瀬戸内海環境保全月間』です。一度失われた環境を復元するには、大変な努力とコストが掛かりますが、日本の豊かな自然と、その自然によって育まれてきた豊かな心を枯れさせないためにも、『里山・里海』の再生を是非とも望みたいと思います。
母なる海。
今月7月20日は『海の記念日』です、純粋な気持ちで海洋国日本を、もう一度見直す機会にしてみてはと思わされました。
◆今日の言葉 「人間万事塞翁が馬 (にんげんばんじさいおうがうま)」
(吉凶は予想できない、だから災難を悲しまず、幸運も喜ばず、という教え。)
昔々の中国、塞翁(塞という名のおじいさんの意)という老人の馬が逃げた。人々は気の毒がったが、塞翁は嘆かなかった。やがてその馬が駿馬を連れて戻り、人々は祝福したが、塞翁は喜ばなかった。
息子がその馬から落ちて骨折したが、塞翁は悲しまなかった。やがて敵が攻めてきたとき村の若者は戦死したが、息子は足の怪我で召集されず死ななかった。
人の世の、幸不幸は何処にあるか分からないものだという、故事から。