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兵庫労使相談センター総会
兵庫労使相談センター第14回総会ひらく
◆兵庫労使相談センター(連合兵庫・兵庫県経営者協会・兵庫県) は、5月29日(金)、神戸市中央区の県立 中央労働センターで第14回定期総会をひらき、新年度の相談員体制や今後のセンターのあり方について協議、それぞれ提案どおり決定しました。
◆この総会で、好城代表委員(連合兵庫顧問)が退任し、新任の代表委員に永友節雄さん(副代表委員・前県経営者協会専務理事)を選出しました。
◆総会は城内事務局次長(県経営者協会常務理事)の司会ですすめられ、冒頭、センターを代表して好城代表委員(連合兵庫顧問)があいさつに立ちました。
代表委員あいさつ 好城秀行:代表委員 ◆新型インフルエンザの影響で、開催が危ぶまれていたが、ひと段落したようですし、皆様もお障りなくお過ごしということで喜んでおります。 ◆今年度中の特徴的な出来事としては、アメリカ発の金融不況の影響を受け、非正規雇用のみなさん、とくに派遣切りの問題がありましたが、当センターへの相談は思ったほど多くはありませんでした。これは問題がなかったというよりは、労働問題よりも生活の問題のほうが深刻で、そちらの方面での対応になった点があるかもしれません。 ◆また、今後はこの不況が正規雇用労働者の雇用問題に影響してくる場面が考えられ、相談機関の役割はますます重要性を帯びてくるのではないかと考えています。 ◆このように時代状況・環境が急速に変化していく中、センターの在り方も時代に相応しいものでなければならないということから、在り方検討委員会でさまざま論議していますが、それも一定の結論が出つつあり、今後はその結論にもとづいて、どう実行していくかが課題になってきます。 ◆また、私事にわたって恐縮ですが、事情がありまして今期をもってわたしは代表委員を退任させていただくことになりました。わがままをお詫び申し上げますと共に、これまでの皆様方のお支えに感謝申し上げます。 |
◆つづいて、労使代表のあいさつにうつり、県経協の寺崎会長と、連合兵庫の森本会長があいさつに立ちました。
兵庫県経営者協会 : 寺崎正俊 会長
◆当センターが発足以来、個別労使紛争および労使紛争に発展する可能性のある相談について、的確な助言・指導をあたえ、適切に対処されてこられたことに対し、敬意を表します。◆こんごのセンターの在り方につきましては、ただいま代表からお話がありましたが、時代にマッチした在り方、運営について柔軟に方向を見出していかれることをご期待申し上げています。 |
連合兵庫 : 森本洋平 会長
◆運動の、そして人生の先輩として、大所高所からご助言をいただき感謝申し上げております。◆昨年の金融不況から、雇用不安が一挙に噴出し、とくに非正規雇用のみなさん方はたいへん辛い体験をされ、わが国における雇用のセイフティーネットの脆弱性が露呈したと思います。◆働き方の多様化がすすみ、一般的に言われているところの非正規雇用が増えてきており、ここではそのことに対する良し悪しは言いませんが、多様な対応が必要とされていると思います。◆当センターが正規・非正規にかかわらず、働く人々の正当な権利を守り、雇用安定に役立っていくことをご期待申し上げております。 |
◆また、兵庫県勤労福祉協会:久保理事長、兵庫県産業労働部政策労働局:楠見局長が来賓あいさつを述べられました。
【 議 事 】
◆議事に入り、好城代表委員が総会議長を務めました。
◆2008年度活動報告 (報告者 辻:事務局長(連合兵庫事務局長))
●2008年度の相談件数が282件あり、それぞれ適切に処理してきたことをはじめ、相談員体制・事務局体制について現状と問題点を説明、また「在り方検討委員会」の議論経過について報告し、満場の承認を得ました。
◆2008年度決算報告・監査報告
●決算報告を土肥:事務局次長(連合兵庫事務局長代理)が、監査報告を山川:会計監査(県経協労働政策部長)がおこない、それぞれ満場一致で承認されました。
●下記のとおり提案し、満場一致で可決しました。
Ⅳ.2009年度 取り組み(案)
1.私たちを取り巻く環境と基本認識
(2) 個別的労働関係紛争の状況は、2008年度で見れば、総合労働相談件数は、全国で99万7,237件(前年度5.4%増)、助言・指導申請件数は6,652件(5.6%増)となっています。助言・指導・あっせん件数を近畿で見れば、2,151件であり、兵庫の受理件数は23.3%です。一方、兵庫県の調査では、同じく2008年度、パート、派遣労働者等就業形態の多様化の影響等により、非正規労働者からの相談の割合が55.4%と増加し、30人未満の企業からの相談人数が32.6%を占めるとの報告が行われています。
(3) 労働審判制度の受理件数の推移については、制度発足の平成18年が877件(神戸地裁33件)、平成19年1,494件(神戸地裁72件)、平成20年2,052件(神戸地裁80件)と急増しています。とりわけ、本年1月~2月集計ではすでに404件(神戸地裁27件)となっており、着実に機能を果たしている状況となっています。
(4) 以上のような個別労働紛争の増加傾向について特徴的なことは、個別労働紛争の多くが、労働組合のない中小・零細企業や組織化されていない非正規労働者について発生していることです。
(5) 当センターは、こうした状況を踏まえ、労使を代表する相談員で構成されている特徴を活かし、豊かな経験と見識を発揮し、引き続き、幅広い視野から労働紛争の未然防止と自主的な解決の促進に寄与することが求められています。 さらに、個別労使紛争の解決方法が多様化する現状をも踏まえ、相談員も研鑽を積み重ね、設立の原点でもある「労使の駆け込み寺」としての機能を存分に発揮できるように努めなくてはなりません。 2.兵庫労使相談センターの充実 (1)「あり方研究会答申」の指摘に対する受け止め「兵庫労使相談センターあり方研究会」は、センター設立前の各級機関の労働相談について、問題点を指摘しています。また、これらの問題点の解消も含めて、深刻化する労働問題の解決にさらに適切に対応する趣旨で、センター機能のあり方について、以下の6点の整理を行っています。 ① 兵庫県レベルの労働問題への対応機関として地域特性に合わせた対処ができること ② 労働委員会等の公的組織ではなく、民間ADR(裁判外紛争解決)機関として、問題状況に応じて柔軟な対応ができること。 ③ 兵庫県経営者協会と連合兵庫という労使の団体が共同して設立、運営する全国初の機関として発足し、労使双方にとり公正公平な問題解決が期待できること。 ④ 労働問題について、個別・集団の両面からの解決アプローチが可能であること。 ⑤ 労働問題への対応として、相談機能を中心に、場合により、あっせんによる最終的紛争解決機能も果たすこと。 ⑥ 相談員が労組役員ないし企業の人事労務経験者で労働委員会委員の経験者が含まれており、労働問題処理の実際に通じた人材が起用されている。 そうした上にたって、兵庫労使相談センターが労働紛争について個別・集団の両面からの柔軟な解決アプローチが可能であるという稀有な特徴を持つ存在である点を十二分に発揮させる機能をもつことの重要性を再確認しています。 本来、労使関係は労使自治が基本であり、あくまでも真摯な話し合いと双方の歩み寄りによって問題の解決を図ることが最も重要です。そうした認識を前提に、相談センターに相談があった場合には、単に電話や面談等による相談機能に留めるのではなく、相談者の同意を得て、相手側当事者との接触を行い、自主的な話し合いを促進し、その中で自発的に解決が図られるような「調整的機能」の充実を図り、より一層の機能強化と体制整備を図る必要があると認識します。
(2)相談センター機能の拡充と今年度の取り組み
① 「相談対応マニュアル」を作成します。このマニュアルは当センターの業務全般の強化・拡充に資することを目的に、以下の3点をカバーする内容とします。
(3)研究・研修会活動の充実
① 定例事例研修会については、引き続き、労働審判制度や法テラスへの対応、各種労働法制に関して研究します。また、各相談員による研修会座長の持ち回りなど、役割分担により活動の充実を図ります。
(4)今年度の検討課題
3.兵庫県経営者協会ならびに連合兵庫との連携強化 以 上 |
◆2009年度予算(案) (提案者 土肥:事務局次長)
●内容省略。提案どおり可決。
●下記のとおり提案し、満場一致で可決しました。
1. 役 員 | ||
顧問 | 寺崎 正俊 | 兵庫県経営者協会会長 |
森本 洋平 | 連合兵庫会長 | |
代表委員 | 永友 節雄 | 元兵庫県労働委員会委員 元県経営者協会専務理事 |
副代表委員 | 栗栖 久慈 | 連合兵庫顧問 |
事務局長 | 辻 芳治 | 連合兵庫事務局長 |
事務局次長 | 城内 喜博 | 兵庫県経営者協会常務理事 ・事務局長 |
山川 四郎 | 兵庫県経営者協会労働政策部長 | |
土肥 淳二 | 連合兵庫事務局長代理 | |
常任委員 | 熊谷 昌之 | 兵庫県経営者協会専務理事 |
伊藤 弘孝 | 連合兵庫副事務局長 | |
会計監査 | 山村 洋成 | 兵庫県経営者協会理事 ・事務局次長 |
森脇 久夫 | 連合兵庫副事務局長 | |
事務局 | 佐藤 幸一 | 連合兵庫アドバイザー |
2. 相談役、参与 | ||
相談役 | 和田 年弘 | 元地方労働委員会委員 |
石井 亮一 | 連合兵庫顧問 | |
平田 幸廣 | 兵庫県経営者協会顧問 | |
窪田 鐵夫 | 元代表委員・連合兵庫顧問 | |
好城 秀行 | 前代表委員・連合兵庫顧問 | |
参与 | 堀 剛典 | |
大野 良孝 | ||
大山 喜久 | ||
宇田川 勲 | ||
豆谷 功 | ||
木村 賢 | ||
川本 善雄 | ||
3. 相談員 | ||
県経営者協会 | 森脇 毅 | 元阪神内燃機工業取締役総務部長 |
森本 富夫 | 元東洋信託銀行(株)顧問 | |
小崎 勇二 | 元地方労働委員会委員 | |
神埼 和則 | 元アシックス物流(株)取締役 | |
永友 節雄 | 元兵庫県労働委員会委員 元兵庫県経営者協会専務理事 | |
鶴岡 優二 | 元地方労働委員会委員 | |
連合兵庫 | 浜上 力 | 兵庫高齢・退職者連合会長 |
田中 博文 | 元地方労働委員会委員 | |
栗栖 久慈 | 連合兵庫顧問 | |
中下 恵司 | 元地方労働委員会委員 | |
橋本伊三男 | 元地方労働委員会委員 | |
生原 修作 | 元地方労働委員会委員(新任) | |
勝浦 勝 | 元地方労働委員会委員(新任) |
◆新役員代表あいさつ
永友節雄 : 代表委員
◆当センターは、県民の安寧、生活の安心・安全のために10数年前に発足しました。震災直後であったので、現実に対応するため1日でも早い設立をということで、あわただしい思いをした記憶があります。 ◆労使の2団体が、単にユニークだとか協力とかいう範囲を越えて、新しい関係に踏み切り、一緒に行動するという快挙を成し遂げたのだと思います。 ◆こうした歴史と伝統を守りながら、新しい時代に対応できるセンターを目指していきたいと思います。 ◆本日、新代表委員に選出されましたが、皆様方の絶大なるご協力がなければ勤まる職責ではありません。どうかよろしくご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。 |
◆退任役員あいさつ
好城秀行 : 前代表委員
◆ 昨年、窪田さんから代表委員をバトンタッチされまして、こんなに早く退かせていただくことになろうとは思いもよりませんでした。心残りはありますが、よんどころない事情によりまして退任させていただきます。代表委員在任中はセンター在り方について自分なりに心を砕いてまいり、何らかのお役に立ったかなあという気持ちもあります。また、同僚に皆様や、事務局の方々には、終始頼りっぱなしで、深く感謝申し上げたいと思います。こんごの各位のご健勝とご活躍をお祈り申し上げております。 |
木村 賢 : 前相談員
◆社会の要請に大して、当センターは的確に応えてこられたと思っています。震災直後の混乱、復興期のさまざまな問題、そうして現在また世界的金融不況の嵐が吹き荒れており、そうした社会の変化が雇用の面にも如実に反映し、難しい問題が持ち込まれてきました。こんごはますます社会状況が複雑化し、相談対応もたいへんになっていくと思いますが、県民の期待にこたえて頑張っていかれることをお祈りしています。 |
川本善雄 : 前相談員
◆相談員としての任期は短く、年齢的にも少々早すぎるリタイヤかと思いますが、体力的な問題があり、本総会をもって退かせていただきます。センターに関する思い出としては、相談員としては毎日、緊張しつつ対話を重ねながら解決策を模索してまいりました。また、設立時に連合兵庫の事務局長を務めていた関係で、いろいろ苦心したことを懐かしく思い出します。変化の激しい時代に中で、当センターが働く人々の悩みの解決へ活躍していかれることを期待しております。 |
◆閉会あいさつ
栗栖久慈 : 副代表委員
◆雇用形態・就労形態の多様化がすすむ中で、センターに持ち込まれる相談内容も従来の経験だけでは対応できない問題が増えつつあります。また、現下の金融不況は派遣切りや雇い止
めの問題を全国的に惹き起こしましたが、これが今後、正規雇用の人々に大きく波及しないとは言い切れない状況です。当センターが、個々の労使問題に対応することはもとより、経験の蓄積の中から、そうした社会状況に対しても何らかの対応策を提示できることがあれば幸いだと思います。兵庫県に働き暮らす人々の負託に応えられるよう、知恵を出し合って頑張っていきましょう。 |