受信NEWS
第3回労働安全衛生研修会
心も身体も健康な労働生活のために
(財)兵庫勤労福祉センターが安全衛生研修会ひらく
◆3月25日(水)、兵庫県中央労働センターで、財団法人:兵庫勤労福祉センターが第3回安全衛 生研修会をひらきました。◆講師に社会保険労務士の糟谷芳孝氏、連合大労働阪安全衛生センターの西野方庸氏を招き、心身両面にわたって健康な労働生活を送るための講演を受けました。◆この研修会は、財団のほかに、連合兵庫と兵庫県経営者協会が主催者となり、兵庫県と兵庫労働局が後援してひらかれたもので、連合兵庫・経協の加盟組織・企業から担当者約150名が出席、実践経験豊かな両講師の講義に、熱心に耳を傾けました。
◆研修会は(財)兵庫勤労福祉センターの土肥淳二:理事(連合兵庫事務局長代理)の司会で幕をあけ、冒頭、主催者を代表して森本洋平:理事長(連合兵庫会長)があいさつに立ちました。
主催者あいさつ 森 本 洋 平 : 理事長 安全衛生管理は労使共通の課題であり、労使共に社員・組合員に対する最も重要な責任を果たす課題であると思います。 また、安全の危機は経営の危機ともいわれており、安全職場なくして正常な品質管理や生産活動はありえないということだと思います。 職場での安全管理の取り組みをみてみますと、設備的には格段に良くなった、管理手法も格段に改善されてきた、そして着実に災害は減少傾向にあります。 加えて、安全衛生マネジメントシステムも定着し、事前に災害の芽を摘む対策が出来てきたと思われます。それでも災害は無くならない、何が必要なのか。 今後は、いかにしてヒューマンエラーを無くしていくか、「決めたこと、決められたこと」を守り守らせる管理監督者の指導と、現場におけるモラールアップに向けた人間教育も必要になってくるのではと思っています。 あと一つは、職場環境の問題と健康と衛生問題だと思います。 健康管理では生活習慣病対策、メタボ対策などに取り組まれていると思いますし、分煙対策もしっかりと対策がされつつあると思います。 しかし、なかなか進まないのが、今日の研修課題でもある、メンタルヘルスの問題であると思います、言うは易しく行い難しの典型的な問題と認識します。 精神健康不調者の問題について、職場でのリスナー制度を始め、打てる手は打っていると思うんですが、なかなか減少いたしません。 職場での、「目配り、気配り、心配り」が必要と思われる、仕事との兼ね合いも含め管理監督者の率先垂範をお願いしたい。 今日は半日の研修となりますが、学んだことが一つでも職場で生かせるようにご期待を申し上げます。 |
◆つづいて後援団体を代表して兵庫県の大裏篤:しごと局長があいさつ。「日頃の安全衛生活動に感謝申し 上げます。県としても雇用確保とともに、安全衛生面に配慮の行き届いた企業・職場づくりへ指導・支援をすすめています。また、非正規雇用が増大していますが、その人たちへの安全衛生に対する指導教育や制度の充実も重要な課題です。安全衛生はすべてに優先するとの考えで、こんごとも行政として出来る限りの施策を講じてまいる所存です」と述べました。
【 報告 】
『兵庫県内の労働災害状況』
高 岡 拓 史 氏 (兵庫労働局安全課安全専門官)
【 講演 】
◆講演1
『職場における心の健康づくり(うつ病対策)』
講師 糟 谷 芳 孝 氏 (社会保険労務士)
1.『うつ病を巡る現状と会社との関係』
2.『うつ病問題への対応策』
の2点を中心に講義をおこない、「うつ病・躁うつ病の患者の数、および精神障害等による労災請求は毎年増加の一途をたどっており、それぞれここ2~3年のうちに倍増している」と述べ、深刻な状況であることを強調しました。
また、「こうした兆候に上司が早期に気づくことが重要で、①部下の変化にいち早く気づく努力をすること。②部下の変化に気づいたら適切な対応策をとること。」と職場の管理職の役割の大きさを指摘し、部下の状態に気づくためのノウハウを次のように紹介しました。
け ・欠勤
ち ・遅刻、早退
な ・泣き言をいう
の ・能率の低下
み ・ミス、事故
や ・やめたいと言い出す
◆講演2
『中小事業場における安全衛生対策』
講師 西 野 方 庸 氏 (連合大阪労働安全衛生センター)
◆安全衛生教育プログラムや安全衛生管理体制のつくり方を中心に、実際例を多用して解説。また、リスクアセスメントに関して、「”職場の危険探し”とでも呼んで、職場でグループ討議の時間を設ければできること。みんなの意識を高め、安全衛生に関して制度・施設の充実化をすすめると同時に、ヒューマンエラーのない職場をつくっていきましょう」と述べ、教育の対象者と実施時期などの体系について、詳細資料を駆使して説明をおこないました。
◆研修会の締めくくりに、兵庫県経営者協会の山川四郎:労働政策部長が『全体まとめと閉会あいさつ』に立
ち、「本日の研修会で参考になったことがあったら、個人の胸にしまっておくのではなく、それぞれの職場で積極的にご発言いただき、安全衛生の向上に役立てていただきたいと思います。兵庫県における労使の関係は他府県から羨ましがられるほどに良好ですが、それも労使が力を合わせて働く人々の生活向上をすすめていこうという共通認識の上に構築されている関係だと思います。それぞれ立場に違いはありますが、力を合わせて安全で健康的な職場づくりへ邁進していきましょう」
と述べ、研修会の幕を閉じました。