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青年委09春季学習会ひらく

「はじめよう。仕事と生活のバランスUP。」
~明るい未来へ。Yes, we can!~

青年委員会2009春季学習会

09seinengaku01.JPG ◆連合兵庫青年委員会(西風委員長:情報労連)が、3月14日(土)、兵庫県中央労働センターで『青年委員会2009春季学習会』をひらきました。

◆学習会には青年委員会役員を含め約70名が参加し、男女共通の課題でもあります「ワーク・ライフ・バランス」についての講演・グループディスカッションで認識を深めました。

 

◆山口副委員長(フード連合)の司会で幕をあけ、学習会の主旨やスケジュール等の説明をした後、主催者を代表して西風:青年委員会委員長(情報労連)があいさつに立ちました。

主催者代表あいさつ

連合兵庫青年委員会
委員長 西風辰昭

 

◆毎年12月に青年委員会総会を開催し、向こう1年間の活動方針などを決定しています。「春の学習会」「夏のユースセミナー」「秋の交流会」など、大きく3つのイベントを中心に計画し、実施しています。 09seinengaku03.JPG

◆連合の春闘方針の中で「ワーク・ライフ・バランス」についてうたわれているが、私たち青年層としても、自分たちの環境などをふまえて色々と考えていかなくていけません。ただ講師を招いて話を聞いて帰るのではなく、今どんなことできるのかなど意見交換をしていただき、より中身の濃い学習会にしていきたいと思っています。

◆青年委員会の活動では「参加型」を基本にしています。企画した幹事メンバーが意図的に活動するのではなく、参加いただいた皆様がすすんで活動していただけるような企画運営をし、さらなるネットワークを広げていっていただきたいと思っています。

◆つづいて、森本:連合兵庫会長があいさつされました。

連合兵庫あいさつ

会長 森本洋平

 

09seinengaku04.JPG ◆現在、連合兵庫は最重要課題の、春季生活闘争の真っ最中ですが、四囲の状況から非常に苦しい戦いを強いられています。今回の経済危機で感じることは、日本の雇用政策のセーフテイーネットが、非常に脆弱であったということを思い知らされました。雇用保険の後は生活保護しかないという、中間の緩和処置対策が全く無いということです。

◆長期的には国会での法制整備の問題と思いますが、目の前の緊急対策として「雇用調整助成金」の用件緩和や、公共事業の前倒し実施など、政労使で出来るところから早く手を打つべきと思います。

◆さらに、連合兵庫は先週の土曜日に、春闘総決起集会を開催いたしました、皆さん方にもご協力いただきましたが、メイン看板の右端に「ゲッツ・アングリー」と書いていたのを覚えているでしょうか、「怒れ」と表現させていただきました。私は二つの意味で書いたのです、一つは交渉の中で経営側の不条理な論理には「怒り」をもって、我々の考え方を堂々と主張すべきとの考え方、もう一つはマスコミの認識不足に対してであります、特にテレビのキャスターは「連合は正社員の組合ですから」と言われる、何という発言か、認識不足もはなはだしいと思います。
先月も、大阪で連合近畿ブロックの総会があり、本部より古賀事務局長にお越しいただいて、総会の後記者会見を行いました。その中で、ある新聞記者が「連合は何故非正規の方々の春闘に取り組まないんですか」との質問が出されました、私は思わず反論をいたしましたが、もう少し勉強してほしいと思いました。

◆今、日本で非正規社員は1700万人と言われ、その内1200万人がパート・アルバイトと呼ばれる方で、残りが派遣社員や期間工です、連合は4年前から、UIゼンセン・電機連合・JAMさんなどによる「パート共闘」を立ち上げて交渉しているんです。結果、毎年時間給が確実にアップしているんです、そのことが未組織の非正規の方々の賃金の底上げに繋がっているんです、このような認識不足の問いかけには、「怒り」を込めてしっかりと反論すべきと考えています。

◆もう一つ、フォード社の創始者、ヘンリーフォードの自叙伝「藁のハンドル」を紹介しておきます。翻訳者は有名な「竹村健一」です。まだ、労働時間が10時間を超え、食べるだけで精一杯のころの話です、ヘンリーフォードはどうすればフォード車が売れるか、考えて出した結論が、従業員は労働者であると同時に消費者でもあるということでした。当時としては画期的なことだったのですが、従業員に車のローンが組めるだけの賃金を出して、自社の車を購入するようにしたのです。地元デトロイトはフォード車で溢れかえったそうです。今の日本経済も内需主導にすることが必要といわれ、社会の公器としての企業の責任を果たすことが求められています。賃上げだけで日本が内需主導の経済になるとは思いませんが、必ず下支えにはなると思います、勇気ある決断に期待したいと思います。

◆衆議院総選挙も非常に重要な選挙となります、一昨年の参議院選挙で与野党逆転をさせていただき、その後の法案成立を見てみますと「労働契約法」「最低賃金法」「労働基準法」などが、与野党修正協議の上、成立いたしました。100%ではありませんが着実に私たちの求める、政策制度課題が前進しています。今度は衆議院選挙で政権交代を実現し、働く者のための法制整備ができるようにしなければなりません、そのためにも衆議院選挙は重要な意味を持っています、是非ご協力をお願いしておきます。

◆今日の学習会のテーマは「ワーク・ライフ・バランス」についてですが、兵庫県はこの問題の先進県と言われています、平成18年には「仕事と生活の調和と、子育て支援に関する三者合意」を兵庫県・経営者協会・連合兵庫の三者で締結し、現在アクション・プログラムに基いて、具体的な取り組みを進めています。私は、「子育て支援」ではなく、仕事と家庭の「両立支援」だと考えていますし、又、自分の家庭だけのものではなく、地域も関係するでしょう、子供の教育にも関係するでしょう、ワークシェアリングにも関係するでしょう、結論が出せるような課題ではないと思いますので、若い方々の発想に期待したいと思います。 

<カリキュラムⅠ>

◆講演

ワークライフバランスを考える
一人ひとりを尊重する職場に向けて

尼崎市立女性・勤労婦人センター 所長
兵庫県尼崎市南武庫之荘
3-36-1
(尼崎市指定管理者 NPO法人 男女共同参画ネット尼崎)
須田   和(むつみ) さん 
 

<導入> 09seinengaku06.JPG
最近の企業・組合の研修に伺って思ったこと

○性にとらわれない公正な評価(労働意欲、生産性の向上
○ダイバーシティ・マネジメント(多様な人材による新しい価値の創造
○ワーク・ライフ・バランス(労働力の確保・優秀な人材に選ばれる企業へ)

本当に効果があるのか?

男性へ  女性のチャンス拡大・登用は男性への不遇では決してない。性差なく働くことができる環境が整備されることは、能力と意欲のある男性にとっても、働きやすい職場になる。(例  セクシュアルハラスメント防止について)

管理職へ   男性中心の考え方や行動になっていないか
男女ともに育児休業を取得しやすい職場の雰囲気づくり

ワークライフバランス、ハラスメント防止 
どちらにも必要なコミュニケーションスキル

①先入観を持たずに素直に聴く
②相手の目を見る。表情や動作からもメッセージを読み取りながら聴く
③うなずく、微笑む、あいづちを打つなど積極的に聴いていることを示す
④話の本質をつかむことに集中し、必要に応じてメモを取りながら聴く
⑤要所要所では話を要約する、相手の言葉を繰り返すなど、話の内容を整理しながら聴く
⑥質問や意見は、話の腰を折らず最後まで聴いてから述べる
  

 <カリキュラムⅡ>   09seinengaku07.JPG

 ◆グループディスカッション 

  09seinengaku09.JPG ◆参加者が  8  グループに分かれ、各班に青年委幹事2人を配置しワーク・ライフ・バランスについてグループ討議を行いました。初めて顔を合わせる参加者の緊張をほぐすためアイスブレイクからスタートしました。  09seinengaku08.JPG

 ◆緊張もほぐれたところで、自己紹介、ディスカッションと9  0分間  グループ 09seinengaku10.JPG で話し合いが行われました。内容としましては、「講演の感想」「どんな課題」「どうなりたい?」「どんな事をしてほしい?」「わたし達にできる事は?」etc、普段そんなに考えることのないワーク・ライフ・バランスですが、それぞれがフランクに意見を出し合える機会となりました。 

<まとめ>

◆グループ発表 09seinengaku11.JPG

◆最後のまとめとして、各班代表1名が3分以内で発表しました。  

<内容>一部 
有給休暇をとると他の社員に迷惑がかかってしまい、なかなかとれない。
①有給をとりやすい雰囲気を会社側が作っていってくれないといけない。
②上司なりが声掛けをしてくれると取りやすい。

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◆最後 に、大篠副委員長(JR西労)が、閉会あいさつで『本日の学習会の中でも多数意見としてでていましたが、コミュニケ―ショーンをとるということが一番大事なことだと思います。まずは、今日の学習会での内容を職場へ持ち帰っていただき、仲間へ伝えていってください。』と述べ、学習会の幕を閉じました。

 

参加型の組合活動をめざして
(連合兵庫青年委員会の基本姿勢)

青年委員会がめざす『参加』とは
それは、一般参加者としての参加はもとより、実行委員として企画・運営にたずさわる参加、さらには、活動家として、青年委員会の運動そのものを推進していくことへの参加というように、さまざまな意味合いをもちます。

 例えば、今回の学習会においても、青年委員会のイベント教育委員、幹事一人ひとりが意見を出し合い、理解しにくい点・疑問に思う点は、本日と同じ活動を、実際にメンバーで体験しながら、手づくりの学習会を創りあげてきました。

 もちろん本日も、参加されたみなさんの発言や意見交流が中心となって、学習会が成立していったことを実感していただけたのではないでしょうか。

このように、“いろんな参加者との出会い”“自分とはちがう意見や価値観からの刺激”またそのことから“自分が知らなかったことへの気づき、さらには、新たな自分の発見”というように、学習の過程を大切にすることこそが、参加型学習の本質なのです。

そのため、“完成された答えや知識をもとめて“参加された方には、もの足りない内容であったかもしれません。

しかし、過程を大切にすることに、労働組合の原点があるのではないでしょうか?

はじめに方針ありきの運動ではなく、やはり“職場から分会から、一人ひとりの組合員の要求を吸い上げていく”ことが、運動の原点なのではないでしょうか。そして、そこに至るまでの過程を大切にしなければならないのではないでしょうか。

そこには、最初から“答え”はありません。また、一人ひとりの生活、価値観をはじめ、あらゆるものが異なります。それを協議し、合意し、統合していくことは、決して容易ではありません。学習会のわずかな時間でも、そのことが感じられたのではないでしょうか。

もちろん、その延長線上に運動方針があり、闘争があるはずです。

一人ひとりの要求をまとめ上げる過程で、相手の発言を攻撃したり、否定したりせずに自己主張すること(アサーティブネス)や、自分の考えや自分そのものが認められること(セルフ・エスティーム)、そして時間をかけてコミュニケーションできる環境をつくっていくことが重要でしょう。学習前のオリエンテーションで、“学習会での約束”として確認したことは、実はこのことだったのです。

このように、連合兵庫青年委員会は、自らの参加で成立していると実感できる学習会を創っていくように、一人ひとりの加盟で、また要求で成り立っていると実感できる参加型の組合を、運動を創っていきたい!と考えています。