０８春季生活闘争総決起集会

主催者代表あいさつ

連合兵庫会長：森本洋平

◆本日は、集会の前段で、交運労協の仲間によるトラックとタクシーのデモンストレーションを実施しました。行き過ぎた規制緩和で過当競争にさらされ、最低限の生活さえ守れないような実態の中で必死になって働いている仲間の皆さんです。同じ働く仲間として、全員の大きな拍手で激励と感謝の気持ちにかえたいと思います。

◆さて、こんにちの日本経済や企業の状況と、わたしたち勤労者・生活者の状況を比較してみるとき、どうしてこのような生活破壊とも言うべき事態に立ち至ったのか疑問を持たざるを得ません。
◆たしかに消費者物価はおおむねゼロベースで推移していましたが、ここにきて原油価格の高騰を受けて、生活関連商品の値上がりが出始め、予断を許さない局面となってきました。

◆経済成長は２００３年以降、おおむね２％程度の成長率で推移し、それに伴って企業収益は１３％伸びていますが、対して賃金の伸びはゼロのままです。とくに雇用者所得に限って言えば、１０年前と比較して雇用者所得は６ポイント下がっているのに対して、企業所得は２７ポイント上昇しています。くわえて株主配当や役員給与は上昇しつづけています。
◆また、生産性も着実に伸びているにもかかわらず、１０年前と比較して労働分配率は６５．６％から５９．４％と、６％以上下落しており、逆に企業分配率は１９％から２４％と、５％上昇しています。
◆さらに、正規労働者は１９９７年を境に減りつづけ、２００６年で３３００万人まで減少。逆に非正規労働者は１９９０年代から増えつづけ、現在１７００万人にまで増加し、いまや勤労者の３人に１人は非正規労働者となっています。
◆したがって、春季生活闘争の取り組みは、いまや正規労働者だけの問題ではなく、非正規労働者も含めた全勤労者・全労働者のための取り組みであり、社会的な運動として盛り上げ、２極化・格差拡大の是正と内需拡大による日本経済の活性化に繋げられるような闘いを進める必要があります。

◆２００８年春季生活闘争も前半の大きな山場を迎えようとしています。連合本部は原価の社会情勢を受けて、この闘いで『賃金の下落、非正規労働者の増加、加重・長時間労働の増加、労働分配率の低下』など、２極化・格差社会からの脱却のために、『賃金改善・非正規社員の処遇改善・時短や割増賃金率引き上げ』を実現し、生活改善に結びつけようとの考え方で取り組みをすすめています。
◆しかし、現時点の交渉を見るかぎり、経営側は国際競争力の観点から賃金増額には応じられないとか、横断的なベースアップは過去のものであるとか、割増率の引き上げが長時間労働の是正につながるとは考えられないとか、きわめて消極的な態度に終始しています。

◆わたしたちは、このような経営側の主張は、企業経営に協力・努力してきた社員・組合員の思いからして、断じて容認できません。わたしたちは社会状況や企業状況を無視した、法外な要求をしているわけではありません。誰が見ても著しくバランスの崩れた配分を見直し、公正・公平な配分に戻すべきだと言っているのです。
◆「得た成果は公正に分配する」と言った、『生産性３原則』をどう考えているのか、今こそ労使で真剣に論議し、見直す時であると思います。
◆景気回復が謳われ、企業業績は回復し、株主配当は増え、役員給与も増えつづけている状況の中で、労働者の賃金だけが低下しているという現状に対して、経営側の積極的、かつ誠意ある対応を求めていかなくてはなりません。そのことが消費行動につながり、内需拡大となって日本経済を活性化させていくと判断しているからです。

◆こういった状況を踏まえ、連合兵庫は本部方針にもとづき、労働分配率の反転と内需拡大のため、賃金改善にこだわって積極的に取り組みをすすめていきたいと考えています。また、格差拡大に歯止めをかけるため、中小地場・パート共闘を強化するなかで、格差是正・処遇改善のために、その責任を果たしていきます。さらに、ワークライフバランス実現に向け、割増率の引き上げ、労働時間短縮に取り組むとともに、パート・非正規労働者の処遇改善と底上げを目指し、総力を結集して積極的な戦いを進めてまいります。

◆真面目に働く者が報われ、雇用不安や将来不安を克服される社会を創り出していかなければなりません。そのためにも、２００８年春季生活闘争をとおして労使双方が真摯な論議で、社会的な分配のあり方やルールづくりに積極的な役割を果たすべきです。
◆最後になりましたが、連合兵庫は２００８年春季生活闘争において、産別タテ組織と地域のヨコ組織が有機的に機能する中で中小共闘、割増共闘を強化し、格差社会からの脱却に向け、未組織労働者を含めて全雇用労働者の底上げを目指していくことを表明し、主催者代表としてのごあいさつといたします。共に頑張りましょう！

集会アピール

格差社会是正と、「安全・安心」な輸送サービス確立に向けて

 提案者＝平田：交運労協事務局長

本日、私たち兵庫県交運労協は、連合兵庫2008春季生活闘争総決起集会･街頭総行動と連携し、トラックとタクシー車両による街頭パレードを実施しました。

今、交通運輸産業においては、行き過ぎた規制緩和により競争の論理が強調され、事業者間における熾烈な競争を勝ち抜くために利益優先の動きが強まっています。さらに原油価格の高騰などの影響も受け、そこに働く者にコスト削減が強く求められ、その結果交通運輸産業で働く労働者の賃金は、他の産業に比べて低水準となるなど、労働条件の悪化につながっています。そして、そのことが長時間・過労運転を招き、「安全・安心」までもが脅かされようとしています。

また、格差社会が社会的に大きな問題となっていますが、交通運輸産業においても、安全を犠牲にし、強い者はより強く、弱い者はより弱くという二極化への道を突き進んで行こうとしています。

しかし、この「安全・安心」なくして、私たち交通運輸産業労働者に未来はありません。私たちは、国民･市民生活の基盤を支えるための社会的責任として、質の良い輸送サービスを供給し続け、安心して利用していただける体制の構築を目指していきます。

そして、行き過ぎた規制緩和や格差社会にストップをかけ、政府・与党が進める市場万能主義の社会構造を転換するとともに、崩れた需給バランスを修正し、労働条件の改善を目指していかなければならないと考えています。

この集会に結集された、構成組織･地域協議会･加盟組合の仲間の皆さんと連帯し、格差社会の是正をめざすとともに、「安全・安心」な輸送サービスを確立し、誰もが安心して暮せる社会の実現に向けて取り組むことを宣言し、集会アピールとします。
  2008年3月8日

連合兵庫２００８春季生活闘争
政策制度要求実現総決起集会

 集会アピール

均等待遇、生活と仕事の調和

提案者＝高谷：女性員会委員長 

連合は、2008春季生活闘争方針に「パートタイム労働者等の均等・均衡待遇 の確保」、「ワーク・ライフ・バランスの実現」、「男女平等な働き方の実現」などを掲げています。

本年4月施行の改正パートタイム労働法は、適用範囲の課題はありますが、差別禁止が初めて明記され、パート労働者の待遇についての説明義務を事業主に課すなど、前進した点があります。

改正法を職場でいかし、すべてのパート労働者の均等・均衡待遇を確保するための職場点検と、法を上回る取り組みを積極的に進めましょう。

今、職場では恒常的な長時間労働の働き方が増える一方、パートや派遣など不安定な働き方が増えるなど、働き方の二極化が進み、長時間労働による健康障害や格差の固定化が問題となっています。

労働関連法制の改悪と競争至上の社会で生じた、格差の拡大に対して、すべての働く仲間の代表として私たち組織された労働組合が格差社会の是正と、誰もが安全で安心して暮せる社会の実現に向けて『働く人たちのためのワークルール』と政策･制度の実現を目指しましょう。

連合兵庫は春季生活闘争の統一行動として、国際女性デーの行動に取り組んでいます。働く女性の権利確立のために始まったこの運動も今年で100周年を迎えるにあたり、本集会に参加した私たち1人ひとりが、均等待遇の実現と男女平等の推進や「ディーセントワーク（働きがいのある人間らしい仕事）」の実現に向け、職場で取り組む課題を明らかにし、実効ある取り組みを進めましょう。
  ２００８年３月８日

連合2008春季生活闘争国際女性デー全国統一行動
連合兵庫2008春季生活闘争総決起集会

 連合兵庫2008春季生活闘争必勝決議

 提案者＝酒井：神戸地域協議会議長

われわれは、２００8春季生活闘争において、全構成組織・加盟組合･地域協議会の総力を結集し、生活の維持・向上、社会的な格差を是正し、公正で安心･安全な社会を目指す闘いを開始した。

この闘いで、9年連続の勤労者の家計所得の減少に歯止めをかけ、中小企業･地場労働者の格差縮小、パート労働者・契約・派遣労働者等の均等待遇・改善を通じ、社会的なワークルールを確立し、所得や働き方の二極化と社会的格差拡大の阻止を目指す。

春季生活闘争において月例賃金の改善を最優先し、昨年を上回る賃金改善を勝ち取り、格差是正と均等待遇の実現を目指すとともに、働き方の見直し、長時間労働の是正と生活と仕事の調和を図るために、組織をあげて『すべての働く者のためのワークルール』の実現を目指さなければならない。

われわれは、安心して働き暮らせる社会を実現するため、不公平税制の是正、信頼できる社会保障制度の確立、競争至上や行き過ぎた規制緩和による歪みのある社会構造から生活者重視の社会へ転換しなければならない。

そのための政策・制度実現のための闘いでもあり、連合の政策・制度要求を支持する政治勢力の拡大へ組織の総力をあげて闘う。

連合兵庫は、組織された労働者として、その役割と責任をはたすため、本日２０08春季生活闘争･政策制度要求実現総決起集会を開催した。

『格差是正！』・『労働者の使い捨ては許さない！』をメインスローガンに、まじめに働く者が報われる公正で安心･安全な社会の実現を目指し、すべての労働者と闘いを進め、２００８春季生活闘争に勝利することを決議する。
  2008年3月8日

連合兵庫２００8春季生活闘争・
政策制度要求実現総決起集会