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兵庫高・退連が対県要請

安心と信頼の社会保障制度を求めて

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◆兵庫高齢・退職者連合は2007年12月27日、浜上会長・塩副会長(政策委員長)・高原事務局長・藤原事務局次長・土肥事務局次長が県庁を訪ね、「政策・制度に係る要請」をおこないました。

◆表具産業労働部長に「政策・制度に係る要請書」を手渡すとともに、地域福祉の問題等について意見交換しました。(要請内容は以下の通りです)



 2007年12月27日

兵庫県知事
 井 戸 敏 三 様

兵庫高齢・退職者連合
会 長 浜 上  力

政策・制度に係わる要請書

 貴職におかれましては、  兵庫県民の生活と福祉の安定・向上にむけ、連日のご健闘に敬意を表します。

 いま、私たちをめぐる状況は、社会的な格差・二極化の進行の中で、「連帯や相互扶助」といった「社会的絆」が弱体化し、不安・不信を高め、社会の不安定化を増幅させています。

 特に、社会保障制度の分野では、地域の医師・看護師不足、国保の保険料を負担できない低所得者層の増大等によって「医療格差」「健康格差」は拡大し、また、世界に誇るべき日本の「国民皆保険制度」は崩壊の危機にあるといえます。

 しかし、兵庫県は、阪神・淡路大震災という未曾有の大災害の後も、幾多の困難な状況も受け止めながら、特に、社会保障制度の分野では、全国でも先駆的な役割を果たしてこられました。今回、「新行財政構造改革推進方策」が検討されていますが、引き続き、地域社会の根幹を支える「安心と信頼の社会保障」制度の確立の立場にたって、現実を充分に受け止めご努力いただきますよう要請いたします。

1.地域医療の充実と医師不足の解消

⑴ 各自治体と連携して、県民・患者に安心・信頼の医療を提供できるよう、十分な連携体制を構築すること。また、後を絶たない医療ミスや事故をなくすため、住民代表が参加する医療安全対策会議を早期に立ち上げ、医療ミスや事故の未然防止の徹底に努めること。

⑵ 説明と同意(インホームド・コンセント)の確立、カルテの開示、明細のわかる領収書の発行義務の遵守を指導し、医療の信頼性を高めて患者本位の医療、良質な医療サービスの確立に努めること。
 あわせて、患者が納得できる医療を得るため、セカンドオピニオンの普及推進をはかること。

⑶ 「兵庫県保険医療計画」の具体化に当たっては、分かりやすい指標と数値目標を明示すること。また患者の視点に立った施策の具体化と実施に努めること。

⑷ 姫路市において救急搬送受け入れ病院の有無の問題が発生したが、同種の問題が多発する可能がある。「救急搬送基準」の見直しと同時に、「医療対策協議会」において、地域ごと、診療科ごとの医師充足数について調査・分析を行ない、医師不足に対して、財政措置を含めた実効性ある対策を講じること。さらに各医療機関等における看護師の適正配置を進めるため、潜在看護師の活用策や短時間勤務など多様な勤務体系が導入可能となるような施策を構築し各医療機関等に対する財源を含めた支援を講じること。

⑸ 生活習慣病対策や長期入院の是正等の取り組みにあたっては、地域の保険者と連携して、医療費適正化計画に基づき、健診・保健事業の充実に努めること。また、生活習慣病予防の推進に向けて、各自治体ならびに保険者が取り組む保健師・管理栄養士等の適正配置や予防効果の検証について、地域医療を担う関係者の協力が得られるように支援を行なうこと。

⑹ 2008年4月より創設が予定されている新たな後期高齢者医療制度において、運営主体である市町で構成される『広域連合議会』については、その運営にあたって、被保険者や支援金を負担する他の保険者代表が直接議論できる仕組みの確立をすすめること。

⑺ 安定した医療保険制度の再構築に向けた医療・医療保険制度の改革の実現を図ること。また、国民健康保険料(税)の地域間格差を解消するため、必要かつ具体的な対策を講ずるため、公的支援措置を行うこと。

2.介護・社会福祉サービスの充実と利用者の権利擁護の推進

⑴ 改正介護保険法によって設置されることとなった地域包括支援センター及び地域包括支援センター運営協議会の整備と推進を支援すること。
 
さらに、任意事業である介護給付費適正化事業、家族介護支援事業に積極的に取り組むこと。

⑵ 利用者保護の観点から、事業者の新規指定および更新において、事業者に対し不正請求等の指定取り消し要件や労働関係法規・通達の遵守を周知・徹底するとともに、従業員の賃金が最低賃金を下回っている場合は、事業者指定の取り消しを行う等、厳正な指導監査を実施すること。

⑶ 新たなサービス類型(小規模多機能型居宅介護等地域密着型サービス)の整備状況等、第3期介護保険事業支援計画(県)、介護保険事業計画(市町)にもとづく介護保険事業の実施状況を把握し、各自治体と連携して介護保険事業計画の達成状況の点検・評価を行ない、介護サービスの充実に努めること。
 
また、制度運営のあり方に対する住民・被保険者代表の意見反映のため、「介護保険運営協議会」の設置と被保険者代表の委員の参加を指導すること。

⑷ 各自治体と連携して、介護保険制度改革の詳細について、利用者・県民や事業者等に、正確な情報の広報・周知を行うこと。
 
また認知症についても、正しい知識の啓発に努めること。

⑸ 高齢者虐待防止法や地域包括支援センターの役割について、すべての介護事業者・従事者ならびに県民に対して周知・徹底をはかとともに、認知症等の高齢者が行うサービス事業者との契約や金銭管理等についての権利擁護システムが積極的に利用されるよう促進すること。また、要介護者の家族のみならず、障がい者の家族や子育て期の親を対象とする相談事業の拡充と相談員の資質向上に取り組み、福祉サービス利用者の家族に対する総合的な相談・支援体制を整備すること。

⑹ 兵庫県老人福祉計画に基づき、高齢者が生き生きとした生活を送ることができるように、高齢者が要介護状態にならぬように、あるいは要介護状態が重度化しないように、介護予防の取り組みに努めること。
 
また、兵庫県住生活基本計画に基づく取り組みの推進するとともに、生活空間や公共空間でのユニバーサルデザイン化・バリアフリー化及び不合理な入居制限対策、身近な生活圏での24時間対応型の多様な在宅サービスの普及促進をはかること。

⑺ 介護保険料の激変緩和措置が2008年度において終了する中で、税制改正の影響を受ける者の保険料が大幅に上昇することを避けるため、保険者の判断により2008年度以降も急激に介護保険料が上昇することのないよう対応を徹底すること。

3.年金制度について

⑴ 少子・高齢社会に対応し、安定した財源確保の具体的な方策を明らかにし、信頼と安心の得られる持続可能で安定的な制度の確立に努めること。

以 上