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第17回兵庫県労使懇談会
企業の社会的責任を全うできる回答を
第17回労使懇談会で強く申し入れ
■連合兵庫は2月14日、兵庫県経営者協会と第17回労使懇談会を開催し、2007年春季生活闘 争をメインテーマに約2時間にわたって意見交換しあいました。
■土肥連合兵庫事務局長代行が司会をつとめ、開会あいさつをおこない、そのあと
■北条会長が労働者側を代表して意見表明しました。
「◆07春季生活闘争では、格差是正を最重要課題に設定。企業規 模、雇用形態、就労形態、等々あらゆる要素での格差解消をめざす。最近の傾向として、企業の社会的責任という意識の希薄化が懸念されるが、労使交渉は非常に大事なものなので誠意ある対応を求めたい。苦しい中で労働者は頑張って景気を浮揚させたのだから、正しくそれに報いてもらいたい。また、少子化問題が喫緊の課題だが、普通に働いて普通に生活をして子を産み育てられるような社会、企業にデザインしていく必要がある。力を合わせて、人間が幸せになれる社会をめざしていきましょう。◆2月11日、姫路労働会館に県下でのワンストップ相談体制の先駆けとなる『生活あんしんステーションHIMEJI』を開設したが、経協の後援もいただいた。この機会に一言お礼を申し上げる」
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それに応えて、■県経協の池田会長が次のように述べました。
「◆経営者協会としては、まずは雇用環境の維持・改善に尽くしていきたいと思っている。パート・非正規の均等待遇については、従来から努力してきたが、まだ足りないという認識はもっている。困難な課題が山積しているが、こういう難しい時期だからこそ、コミュニケーションを大事にしていきたい。◆兵庫県経営者協会は今年60周年を迎え、記念行事を予定しているが、協会の活性化と基盤強化をはかっていきたい。皆さん方にもご協力のほどお願いしたい。◆兵庫は労使関係が良好だと全国から言われている。元気な兵庫県をつくっていくため、力を出し合って頑張っていきましょう」
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■つづいて2007春季生活闘争に関し、中小企業労働組合を多く抱える産別の立場から
■柳田連合兵庫副会長(JAM)が取り組み方針の概要を述べました。
「◆正社員の採用を抑えるか、長時間残業。それにくわえて非典型 労働者の安い賃金。これが『イザナギ超え』の要因だ。労働者の苦労を忘れていないか?◆ワーキングプア(働く貧困層)が増えているが、年収100~200万円くらいでまともな生活が可能か、子育てできるのか。◆労働者の頑張り、中小の格差の問題、ワーキングプアの存在、至上最高利益の公正配分を強く求める」
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■中沢兵庫経協労務委員長
「◆地域・業種による回復度合いの差。また、同地域・同業種の中でも差がある。雇用状況でも現実には個別企業ごとの差は大きい。◆日本経団連の方針どおり、個別労使が自社の支払い能力の範囲で決めていくのが適当では。◆また、業績好転の反映は、賞与でおこなうべきだと考えている。労使は運命共同体との認識のうえで、どうヤル気、活性化につなげていくかの工夫を重ねたい」
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■また、国際競争力や可処分所得の増減が景気に与える影響、等々についても労使双方から考え方が示されました。
■最後に、北条会長が
「◆情勢は理解している。大きな要求ではなく、ささやかな期待を込めた要求なので、誠意をもって対応してほしい。それが明日の日本経済の活力につながっていく」
と締めくくり、2007年春季労使交渉に関するやりとりは終了しました。
■また、協議事項としてあげられていた『第13回兵庫県海外労働事情調査団の実施』については、昨年予定していた西欧(仏・英・蘭)への視察(テロ被害の危険があったため中止)を本年実施するとの確認がなされました。時期は秋。
以上の応酬と確認で、第17回労使懇談会のプログラムを終了、■土肥連合兵庫事務局長代行が結びのあいさつをおこなって、懇親会へ移行しました。
懇親会のは■井戸兵庫県知事が出席。次のように、兵庫の労使に対する期待を述べました。
「働き方の多様化がすすんでいく中で、格差問題が浮上。経済のグローバル化とも相まって新しい考え方で取り組まれる春季生活闘争ということになると思う。正規・非正規の条件面の差を、もう少し埋める知恵が求められてもいる。しかし、最重要は年金問題で、千金制度が安定したら、国民の将来不安は軽減する。そして、将来不安が軽減されればmいわゆる格差問題の受け取り方も変わってくる面もある。労使の取り組みの結果が元気な兵庫をつくっていくことを期待します。」 |
(なお、この会には他に、兵庫県産業労働部、兵庫労使相談センター、兵庫労働局から出席があり、それぞれから活動報告・あいさつを受けています)